売主側のインスペクションは悪者か?

千葉市の住宅診断(ホームインスペクション)事務所、アフリスペックです。

今回はちょっと過激なタイトルですが。

2018年4月から媒介契約時等にインスペクションの斡旋の有無等についての説明が義務化されました。
その制度を踏まえて、宅建事業者はインスペクションを予め行なってから販売するという手法で、買主様の安心を得ようとすることもあります。

その取り組みについてはとても良いことだと思います。
しかし一部の意見によると、これは買主のためにならない…買主を騙すためのものだ…等と散々な言われ様です。

アフリスペックとしましては、売主様側のインスペクション。買主様側のインスペクション。共に推奨をしています。

なぜなら、その二つのインスペクションの持つ意味は同じものではないのです。故に売主側のインスペクションは悪者ではありません。

それを論点にしている時点でこの制度について理解が出来ていないということでしょう。

ホームインスペクションは中古住宅流通の起爆剤として、鳴り物入りで日本に入ってきました。アメリカでは買主側のインスペクションはほぼ当たり前です。
それによって結果的に資産価値の維持であったり、買主保護であったりがうまく仕組みとして出来上がっています。

日本では、それが同じように普及しない現状を踏まえ、そういった論争になってしまうのでしょう。

インスペクション業界ではこのようなことがよく言われています。

インスペクションの普及 = 中古住宅の流通促進

上記は、結果的に間違いではありません。
しかし、間を飛ばしている考え方で大きな誤解を招く要因となっています。

中古住宅流通制度の普及促進をさせるための手法として、インスペクションという制度がある。

これが現状の日本におけるインスペクションの考え方です。

売主側としてみれば、少しでも高く物件を売りたいのは当たり前です。だからインスペクションをするのです。ちゃんと着飾って、様々な情報を開示して買主様を待ちます。もちろん建物状況調査レベルではわからないことも沢山あります。

そこに異論を唱えるのではなく、不安なのであれば買主側でもインスペクションをすれば良いだけのことです。それこそ安心の住宅購入が可能になるのでしょう。

売主が予めインスペクションを行なっていると言う事は、ある程度の情報が開示され、瑕疵保険への加入が出来るかどうかの判断にもなります。それは買主にとってとても安心な情報です。
保険に加入できるかどうかは何かあったときに対応できるかどうかです。最低基準に達しているものはそれを保証しましょう、活用していきましょう。ということなのです。

買主側のインスペクションもこれから徐々に普及していくでしょう。
しかし売主側のインスペクションを否定する動きは『百害あって一利なし』

不動産の取引というものは、売主がいて買主がいます。
その目的物として住宅があるのです。

買主側の価格交渉材料としてだけのインスペクション。これで喜ぶのは買主だけです。売主にもその物件を引き渡すという債務が発生することを意識しましょう。

売主と買主の間に立つ『中立性』これを大事にしなければお互いに安心の取引とはなりません。

概略をお話しましたが、難しい話だったかもしれません。
制度自体がすごく難しいので、建築士でさえ概略を理解できている人が少ないのです。

詳しくはご相談ください。

千葉市のホームインスペクション(住宅診断)事務所 アフリスペックでした。