欠陥住宅とはどんな住宅? 欠陥住宅を購入しないために注意すべき点
テレビのニュースや特番などで良く耳にする「欠陥住宅」。
インターネットやYouTubeで「欠陥住宅」と入力して検索すると、さまざまな動画やニュース、体験談などを見ることができます。
しかし中には欠陥住宅とはいえないようなものもあります。
建具の建付けが悪かったり壁紙の隙間や床の不陸等の施工不良があったりすると、すぐに「欠陥住宅だ!」として騒ぎ立てていることがありますが、たとえそのような不具合があったとしても一概に欠陥住宅であるとは断定できません。
では欠陥住宅とはどのような住宅のことをいうのでしょうか。
欠陥住宅とは、本来建物として有すべき性能を有していない安全性に問題を抱えた住宅のことをいいます。
具体的には、法令等の基準を満たしていない住宅や設計図通りに施工されていない住宅、安全性・快適性・使用性などの観点から居住等に支障をきたす住宅のことです。(Wikipediaより)
そして多くは設計の誤りや施工上の手抜き、施工ミスが原因となっています。
そこで今回の記事では、欠陥住宅の特徴や見分け方、欠陥住宅を購入しないための注意点などを紹介したいと思います。
欠陥住宅が疑われる事象とは?
欠陥によって住まいにもたらされる事象としては実際にどのようなものがあるのかというと、ひび割れや変形、傾き、雨漏り、水漏れ、排水不良などさまざまな事例があります。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが公表している「住宅相談統計年報2018」によると、新築等相談における住宅トラブルに関する相談12,067件のうち不具合が生じている相談が約8割を占め、戸建住宅の不具合事象はひび割れが21.6%、雨漏りが14.7%、性能不足が13.5%となっています。
尚、性能不良とは、使用した部材や設備機器等が通常有するべき性能を欠いている、または契約時に定めた性能を満たしていない状態(契約内容との相違等を含む)をいいます。
しかし、施工した業者に是正工事を求めても、納得のいく対応をしてもらえないことがあります。
したがって何年か後には、これらの住宅が中古住宅市場に出回ることになるでしょう。
そして欠陥住宅であることが疑われる具体的な事象には、次のようなものがあります。
・基礎や外壁、構造躯体の著しいひび割れ
・外壁や屋根、窓廻り、バルコニー廻りからの雨漏り
・床下や壁内部の水漏れ
・床の不陸や壁・柱の傾き、不同沈下
・室内の著しい湿気
・基礎の鉄筋の露出
・断熱材の施工不良による結露やカビの発生
・構造体の接合金物の取り付け不良
・設計図書との相違
・建築基準関係法令に反するもの
・旧住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)の住宅工事共通仕様書や日本建築学会等の標準的技術基準に反するもの など
したがってこのような疑いがひとつでもあるようであれば、まずは建築した業者にできるだけ早いうちに相談して、原因を究明した上で是正工事を依頼するようにしましょう。
そして修理を依頼したものの何らかの理由をつけて対応してもらえない場合には、第三者の専門家(建物調査を行っている調査会社や建築士等)に介入してもらう方法があります。
有料にはなってしまいますが、建物を調査した上で中立な立ち位置での適切な報告書を作成してもらえることが期待できます。
また前述した公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの電話相談窓口「住まいるダイヤル」に相談してみるのも良いでしょう。
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かめだの部屋 住宅診断士 亀田 融