仲介業者にホームインスペクションを実施したいことを伝える時期は?
これまでのブログを読んで、中古住宅や新築分譲住宅を購入する前にはホームインスペクションを行いたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
特に中古住宅の売買契約では売主の8割以上が個人になるため、個人が売主の場合にはその半数以上が「現状有姿」、つまり「瑕疵担保責任を負わない」とする契約が一般的だからです。
そこで本記事では、仲介業者にホームインスペクションを実施したいことを伝える時期について紹介します。
ホームインスペクションを実施したい場合には、最初に仲介業者に伝えておく
売主や不動産仲介業者の中には、物件の購入希望者が売買契約前にホームインスペクションを行うことに対して非協力的だったり、ホームインスペクションの実施自体を拒否したりすることがあります。
(これらには不動産仲介業者が大手であるかどうかはあまり関係がないようです。)
そのためホームインスペクションを希望する場合には、仲介業者に対して売買契約前にホームインスペクション(住宅診断)を行いたい旨を最初にはっきりと伝えておくことが大切です。
遠慮がちに申し入れたり売買契約の直前になって伝えたりすると拒否される確率が高くなるので、明確に意思表示しておくことです。
(「インスペクションを行わずに契約することはない」くらいに伝えておく方が安心です)
中には不動産仲介業者との関係が悪くならないか、売主の気分を害することはないかと心配してしまう人もいますが、買主が必要以上に気に掛ける必要はありません。
むしろこうすることで、ホームインスペクションを行うことに対して非協力的な売主や仲介業者の物件を排除することができます。
一方、伝えるタイミングが遅くなってしまうと仲介業者が売主側と話を進めてしまって、ホームインスペクションを実施しないままで契約することになってしまいがちなので注意が必要です。
ホームインスペクションの依頼先は自分で探す
仲介業者にホームインスペクションを行いたい旨を伝えると、仲介業者から「インスペクターを紹介します」と言われることがあります。
しかしインスペクターは自分で探すことを仲介業者にキッパリと伝えることをお勧めします。
ホームインスペクションを行っている会社の中には仲介業者や住宅会社と深い繋がり(癒着)があったり、それらの会社の関連会社や子会社だったりすることもあります。
その場合には住宅診断に不可欠な中立性・第三者性を維持できる可能性が極めて低くなってしまう恐れがあるからです。
たとえ不具合があったとしても、依頼主にはありのままの事実が報告されない可能性があります。
また仲介業者が紹介するインスペクターは、宅建業法上で説明が義務付けられている建物状況調査のみしか行わないこともあるので注意が必要です。
建物状況調査では、建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分に生じているひび割れの有無などといった簡単な調査しか行いません。
そしてホームインスペクションの依頼先に全くあてがない場合には、
NPO法人日本ホームインスペクターズ協会(https://www.jshi.org)のホームページで物件所在地や物件のタイプなどから該当するインスペクターを検索することができるので、一度閲覧してみると良いでしょう。
まとめ
仲介業者の中には、購入希望者が物件の売買契約を行う前にホームインスペクション(住宅診断)を行うことを嫌がる業者も存在しています。
ホームインスペクションの結果によっては、物件を購入してもらえなくなる可能性があるためです。
またホームインスペクションを行っている間に、他の仲介業者の顧客に物件を購入されてしまう恐れもあります。
したがってホームインスペクションを実施することなく、できるだけ早く売買契約を締結したいというのが本音でしょう。
そして中には仲介業者自身が事前に不具合に気付いていることもあります。
そのため売主が拒んでいないのに、何らかの理由をつけてホームインスペクションを行わない様に顧客を誘導することがあるかもしれません。
そんな場合には、他の仲介業者に変えることをおすすめします。
最初に契約前にホームインスペクションを行うことを仲介業者にはっきりと伝えておくことで、こうした業者を排除することにも繋がります。
専門家によるホームインスペクションについてはこちら
かめだの部屋 住宅診断士 亀田 融