新築住宅にホームインスペクションを頼むとどんな指摘をされるのか!?【現場監督編】
皆さんこんにちは!
アフリスペック一級建築士事務所の関谷です(^^)
前回の棟梁編に引き続き今回は現場監督編を書きたいと思います!
私は棟梁をしながら現場監督を兼任したり現場監督専属で働いていた経験があります。
その中で指摘された事項や逆に私が指摘した事項などをお伝えできればと思います。
現場監督時代に指摘された事項
前職場では工務店自らが第三者機関に検査を依頼して現場のダブルチェックを行いお客さんに対して公平性を保っていました。
新築時は5つの検査を第三者のホームインスペクターに依頼していました。
基礎配筋検査
配筋検査とは基礎コンクリートを打設する前にきちんと鉄筋が組まれているかをチェックする検査です。
具体的には
・鉄筋のコンクリートに対するかぶり厚さ
・鉄筋の太さ
・鉄筋の継ぎ手の長さスリーブ付近の補強筋
・鉄筋の間隔
などがあります。
この工程で指摘されたのは鉄筋の太さが違っていたことです。
鉄筋の太さは設置される箇所によって変わるのでそれが間違っていたという指摘です。
打設前にチェックするのでまだ是正が可能です。しっかりと直したので問題ありませんでした。鉄筋屋さんも間違えてしまうことがあるのできちんとチェックしなければいけない項目です。
土台検査
土台とは基礎の上、柱の下に設けられる木材のことです。
この工程では
・アンカーボルトの締め付け
・基礎内断熱の取付け
・束の取付け
などがあります。
この工程では指摘事項の経験はありませんが工事の進め方によっては部分的に後回しにすることがあります。
そうするとチェック漏れの可能性があるので施工後にはきちんとチェックする必要があります。
ちなみに前職場では管理アプリを使っていて是正しないと次の工程に進めないようになっていました。このように仕組みでミスを防ぐのはとても良いことだと思います!
屋根ルーフィング
ルーフィングとは屋根の下地の上に敷く防水シートのことです。
この工程は屋根屋さんの仕事になります。シートはタッカーと言われるホッチキスのような道具で留め付けるので留め方によっては穴が開いてしますことがあります。
この施工ミスは雨漏りの原因になるのでチェックは入念されますが大抵の場合、数カ所は指摘されます。この指摘事項は気密テープを貼って処理をします。
ルーフィングの施工後はすぐに屋根材の施工になるのでチェックが急がれますがここで急いでしまうと後々不具合が出てしまうので慎重にチェックを行います。
構造金物
構造金物とは柱と梁、土台などを接合する金物のことです。
これは家の耐力に関わることなのでかなり重要な工程です。
取付ける場所や金物の種類、ビスの種類など細かく決まっているので何度も確認して取付けないと間違ってしまいます。しかしながらこの工程でのミスは多く指摘されることがよくあります。私も大工時代は何度も経験をしてきましたがビスの種類や金物の種類などを間違ってしまい指摘された経験があります。だからこそ大工さんが間違ってしまいそうな箇所がわかるのです。
防水透湿シート
防水透湿シートは雨漏りを防ぐ重要は工程です。この工程も雨漏りを防ぐ重要な工程です。ルーフィングと同じくホッチキスのような道具で留めていきますが留め方によっては穴が空いてしまいます。またシートの重ね長さやサッシ周りの収まりなど細かく決まりがあり丁寧に施工する必要があります。サッシ周りの収まりは過去の雨漏りの経験から何度も施工基準の見直しをして今ではかなり丁寧な施工がされていますね。
現場監督として指摘した事項
ここでは私が実際に現場監督としてチェックをして指摘した事項をお伝えしていきます。
アンカーボルトの設置位置間違い
アンカーボルトとは基礎に土台を留めるためのボルトです。
設置位置、ボルトの長さ、定着長さなどの決まりがあります。
この項目では設置位置が違うことを指摘しました。設置位置が違うと柱との干渉や土台の継ぎ手との不整合などが起こり耐力的に不具合が生じる場合があります。
設置する際は基準を作ってから設置しないとすべての場所が違ってしまうので注意が必要です。またコンクリートを打設してしまうと是正ができない工程なのでチェックは何度も行います。
ホールダウン金物の設置位置間違い
ホールダウン金物とは土台と柱を引き付けるためのボルトでこの金物がないと構造的に不具合が生じる場合があります。設置場所は構造計算により指定されるので図面通りに設置する必要があります。私がチェックした現場ではホールダウン金物の設置する箇所が違っていたことがあります。アンカーボルトと同様にコンクリート打設後には是正ができないのできちんと設置位置を確認する必要があります。
内部石膏ボードビスの打ち忘れ
内部石膏ボードとは内側壁のクロス下地になる面材のことです。
この石膏ボードは耐力には関わらないのですが仕上げに影響する部材です。
耐力に関わらない分チェックが疎かになりがちですがビスが留まっていないと後々クロスが浮いてきたりクレームの原因になるのでこの工程もチェックすることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか!
現在はホームインスペクター専属として働いていますが大工や現場監督時代に指摘されたことや逆に指摘したことをまとめてみました(^^)
私自身多くの失敗をしてきて厳しく指摘されてきた経験があります。このように大工や現場監督などの経験を積んだホームインスペクターはあまり多くはないのではないかと思います。
だからこそ現場で見る視点は単なるチェック項目を埋めることではなく今までの経験をもとにチェックする目を持てていると自負しています。
これからホームインスペクションも普及してしく仕事だと思いますが机上の仕事ではなく現場を知っている人間にしか務まらない仕事です。
知識と現場での経験をフル活用して今後もホームインスペクションの仕事をまっとうしていきたいと思います!
どんなささいなお困りごとでも構いませんのでご相談していただければ回答いたします(^^)よろしくお願いします!