新築工事中にホームインスペクションを頼むとどんな指摘をされるのか!?【棟梁編】

皆さんこんにちは!

アフリスペック一級建築士事務所のインスペクター 関谷です(^^)

近年ではSNSなどの普及により「ホームインスペクション」や「第三者機関」などといった言葉もかなり広まってきたと感じています!

今回は新築時に第三者の立場であるホームインスペクターが現場に入った時に何を指摘されたのかをお伝えします。

私が実際に棟梁としてホームインスペクターに指摘された事項をお伝えできればと思います!

住宅診断・調査・検査・ホームインスペクション専門|ホームインスペクター、住宅診断士|北海道・青森県・山形県・秋田県・岩手県・宮城県・福島県・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県・埼玉県・神奈川県・東京都・山梨県・静岡県・長野県・新潟県・石川県・富山県・岐阜県・滋賀県・福井県・愛知県・三重県・和歌山県・京都府・大阪府・奈良県・兵庫県・岡山県・鳥取県・島根県・広島県・山口県・高知県・徳島県・愛媛県・香川県・福岡県・佐賀県・大分県・宮崎県・熊本県・鹿児島県・長崎県・沖縄県・関東・関西・近畿・東北・九州・四国・北海道

棟梁時代にチェックされた事項

前職場では工務店自らが第三者機関にお願いをして検査をしていただいていました。

もちろん棟梁や現場監督などもチェックするのですが第三者に検査をお願いすることで馴れ合いやお客さんに対して公正性を保っていました。

ホームインスペクターに指摘された事項は4つあります。

①基礎パッキンの位置

基礎パッキンとは土台と基礎の間に敷き込む部材です。一昔前の住宅はありませんでしたが近年の住宅では通気部材として一般的に使われています。

基礎パッキンは土台と基礎の間に敷き込む部材ですから家全体の荷重を受けます。

ですから外周部は全周にわたって敷き込み内周部はアンカーボルトが設置されている箇所と柱の下部、また土台の継ぎ手などに設ける必要があります。

私は柱の下部に設ける必要があるパッキンが不足していると指摘されたことがあります。

あきらかになかったわけではなく追加で入れておいた方が良いと言われました。

土台敷きが終わればそのまま立て方に進むこともあり多くの大工さんが入ることがあります。そうするとチェック漏れが起きやすく気をつけていても見逃してしまうことがあります。そのためホームインスペクターがチェックしてくれるのは大工の立場からしても安心材料になるのです。

②束の位置

束(つか)とは床を構成する大引きを支える柱状の金物です。

束を入れる箇所はおおよそ1m間隔に設置します。

この部材が不足すると床のたわみや床のきしみにつながるので重要な部材です。

私が指摘された事項は階段の降り口にも設置した方がより良いと言われたことがあります。

階段の降り口は勢いよく床を踏む時があるので通常の床よりも衝撃が大きい場合があります。そのため余分に設置することを勧められました。

この点についてはメーカーの標準施工書通りに造っていては気づかない点です。

そのホームインスペクターは過去の経験からアドバイスしてくれたのでしょう!

③耐力壁の釘の本数

耐力壁とは壁を構成する面材のことです。

耐力壁に指定された壁は指定された釘の種類、長さ、太さ、間隔で留め付けなければいけません。

この釘を打つときは一本一本手で打つわけではなくて専用の釘打ち機で留めていきます。

家全体で数千本の釘を打つことになるのでテンポ良くバンバン留めていきます。

そうすると打ち忘れることが あるので最後にまとめてチェックをしますが数本は見逃してしまいます。私は家一軒で一本だけ打ち忘れていたのですがホームインスペクターはその一本も見逃さずに指摘してきました。

その時は正直悔しかったですね^^;

ホームインスペクターがチェックすることはわかっていましたので「何もありませんでした」と言われたかったのですが流石だなと思いました。

やはりチェックすることを仕事にしている人は見る目が違うなぁとその時思いました。

④耐力壁でない壁の釘の種類

耐力壁があれば耐力壁でない壁もあります。

具体的には窓の上下の壁や細い壁が該当します。

その壁には耐力をもたせてはいけないので釘の間隔を荒くして留め付けます。

しかし留めつける時に注意しないと勢いで耐力壁と同じ間隔で留め付けてしまいます。

それではいけないので指摘事項になります。

住宅の壁は単純に全ての壁を強くするのではなくバランス良く設計されています。

余分に耐力があるからいいだろうと思われがちですそうでもないのです。

この指摘事項を知らない大工さんは案外多いのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか!

これらはすべて私自身が実際に受けた指摘事項です。この経験は棟梁をしていなければできない経験です。ホームインスペクターが入ることがわかっていてチェックをしても見逃してしまうのが人間です。

なのでチェックを専門にしているホームインスペクターに頼むのは2重チェックとしてもとても有効だと思います。

またホームインスペクターが入る現場は綺麗になるものです。前職場では工務店自らがホームインスペクターにお願いしていましたがお客さんが頼んだホームインスペクターならどうでしょうか。

現場の清掃状況なども指摘事項になるかと思います。たかが清掃と思われるかもしれませんが建築現場にとって清掃はとても重要な仕事です。

ゴミが散乱していれば仕上げ材料に傷がつく可能性が高くなりますし道具が片付けられていなければ道具を探す手間も増えます。また足元が散らかっているため動きづらく仕事の効率も落ちます。

以上のことからホームインスペクターを新築の工事現場に入れることは品質管理の面でも作業効率の面でもメリットが大きいと思います。

ホームインスペクターを頼む数万円で数千万円の新築の仕上がりが良くなるなら考える余地もあるかと思います。

皆さんも新築をお考えの時は建築会社探しと同時にホームインスペクターも探してみてください。きっとお力になれると思います(^^)