中古住宅をホームインスペクション(住宅診断)する方法!【基礎編】

中古住宅をホームインスペクション(住宅診断)する方法!【基礎編】

こんにちは!アフリスペック一級建築士事務所の関谷です(^-^)/

前回に引き続き自宅のホームインスペクションの様子をお伝えしていきます!

私自身ホームインスペクションの仕事をしていますが6年前に自宅をリフォームして住んでいます!現在築29年の1階RC、2、3階木造の戸建住宅です。

そろそろメンテナンスが必要な年数だと思いましたので自宅をホームインスペクションしてみました!数回に分けてホームインスペクターの仕事の紹介や結果報告などをお伝えしていきます(^^)第2回目は【基礎編】です!

結構な不具合が見つかりましたので補修が必要です(^_^;)

不具合の事例

基礎クラック

基礎コンクリートの不具基礎コンクリートの不具合で一番多い項目のクラック(ひび割れ)です。

基礎のひび割れは幅の大きさと深さで判定します。

幅に関しては

・0.3㎜未満 異常なし

・0.3㎜以上 補修が必要の基準になります。

深さに関してはひびが貫通しているかどうかを基準にしています。

そもそも基礎にクラック(ひび割れ)があった場合どんな影響があるのでしょうか。

少し整理してみましょう!

コンクリートの内部には鉄筋が入っています。

鉄筋はコンクリートによって水や空気から守られていることで腐食せずに本来の力を発揮できます。

しかしコンクリートにひびが入ってしまうとそこから水や空気が侵入してきて腐食してしまいます。

鉄筋が錆びると膨張してコンクリートと離れてしまいひどい場合だとコンクリートが剥がれ落ちてしまいます。

このような影響があるためにコンクリートのクラックを調査しているのです。

0.1㎜程度のヘアークラックと呼ばれるひびはあまり影響ありませんが0.3㎜程度以上になると水などが侵入してきて鉄筋が腐食する可能性が出てきます。

補修方法としてはエポキシ樹脂と呼ばれる液体状の材料を注入して補修します。

性能的にはこれで問題ないのですが見た目が他のコンクリート部分と違ってきますので仕上げが気になる方は注意が必要です。

基礎コンクリート上端の欠き込み

この事例は新築当初からあったものと思われます。

給水管を通すために基礎コンクリートが欠き込まれていました。

上記で書いたように基礎は鉄筋とコンクリートで造られています。コンクリートの中には鉄筋が入っているわけですがコンクリートが欠き込まれていると鉄筋のかぶり厚さがとれず腐食しやすくなるので鉄筋を保護するためにモルタル等により補修をする必要があります。

給水管を通すために構造体を欠き込むケースはよくあります。何が原因かというときちんと施工図が書かれていないのが原因です。給水管は基本的に壁の中を通すことが多いのですがその場合どのようにして壁の中に給水管を通すのかを事前に決めておかないと現場の判断で勝手にこのような施工をされてしまいます。

建築の現場では施工図を書くことがあまりありませんが設計段階から配管経路や納まりなどを検討する必要があります。

基礎コンクリートのコア抜き

この事例は基礎コンクリートにコア(配管を通すための穴)が開けられていた事例です。

おそらく新築当初に施工ミスがされていたと思われますが何が原因でコアが開けられていたのかは想像ができませんでした。

人が作るものですからミスが起こるのは当然です。しかし重要な工程ではチェックを行いミスを補修する必要があります。

外側から見ると補修されて見えますが内側から見ると穴が空いたままになっています。中をよくみてみると鉄筋も切断されていて錆が発生しています。これではいけません。

切断した鉄筋の小口は防錆処理をしてコンクリートの空洞部分もモルタルなどで埋めなければいけません。

このミスはいい加減な施工とチェックをしていない管理に問題があると思います。

施工ミスをしてしまってもきちんと補修をする姿勢を見せてもらいたいものです。

Pコンの埋め忘れ

この事例は基礎コンクリートのPコンをモルタルで埋めていない事例です。

Pコンとは基礎を造る際に型枠を固定するために使われる穴のことです。

穴の中には金具が入っていてモルタルで埋めないと腐食してコンクリートと金具が離れてしまいます。埋めていない数は30箇所程度あり明らかにチェック不足がみられます。

基礎を作った職人も現場監督もチェックしていないのでしょう。このような細かい施工から家全体の施工技術やチェック体制が見えてきます。

きちんとモルタル等で補修する必要があります。

ジャンカ

ジャンカとは基礎コンクリートの隙間・空隙のことです。

これは新築施工時のミスによるものです。基礎を打設するときは型枠内に均等にコンクリートがながれるように振動を与えながら流し込みます。しかしその振動が足りなかったりコンクリートを流しにくい部分には均等に流れずこのように空隙として現れてしまいます。

ジャンカも上記の不具合と同様に鉄筋の腐食につながるのできちんと補修する必要があります。

補修したとしても見た目が他と違ってしまうのでクレームに繋がりかねません。

このことからコンクリートの打設時は一発勝負なので職人と現場監督がチェックし合いながら行う必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか!(^^)

基礎コンクリートについては新築当時の施工ミスが目立ちましたね。

コンクリートの打設は一発勝負です。職人の施工誤差も目立ちますし現場監督のチェックも重要になります。家の構造に関わる部分ですのできちんとした施工管理が必須になります!

私は6年前にこの家に引越ししてきましたが基礎コンクリートについてはほとんど気にしていませんでした今回ホームインスペクションを行い不具合が多く見つかりましたがこれを機に補修したいと思います。

補修する場合は補修部分を把握して職人さんが1回で終わるようにすると効率も良く無駄なお金がかからないと思います!

以上【基礎編】でした(^^)/