マンション購入前の心構え(お金編)

理事会に参加させていたいたり、ご相談を受ける中で「管理費・修繕積立金が安いから買った」、「竣工時から変わっていないのになぜこのタイミングで値上げをするのか?」という言葉はよく聞きます。

これはよくある話ではありますが、マンションを購入する際に知っていただきたい大事なことをお話ししたいと思います。

マンションを維持管理していくには「お金」が必要です。

昨今の物価の上昇により、建築資材はもちろんの事、電気代、ガス代、人件費は上がり続けて管理組合のお財布を圧迫しています。

管理組合の収支は、収益事業がない限り、区分所有者全体で集める「管理費・修繕積立金・使用料(駐車場料金等)」で運営されています。

きちんと管理の計画をしての管理費・修繕積立金の値上げの値上げ、必要に迫られた竣工後20年以上経ってからの大幅な値上げ等、値上げの経緯や金額も様々ですので、マンションを購入の際は特に注意が必要です。

管理費・修繕積立金とは?

ではここで、管理費と修繕積立金とはどんな費用なのかを解説したいと思います。

管理費とは

管理費とは、マンションの共用部分の日々の維持・管理のために使うお金です。

「管理費」の主な使い道

・管理員人件費

・公租公課

・共用設備の保守維持費及び運転費(共用部の水道高熱費含む)

・共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他損害保険料

・経常的な補修費

・管理組合の運営に要する費等が挙げられます。

修繕積立金とは

修繕積立金とは、長期修繕計画で計画したマンションの大規模な修繕や特別の事由により必要な修繕に備えるお金です。

「修繕積立金」の主な使い道

・一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

・不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕

・敷地及び共用部分等の変更(共用部のリフォームなど)等が挙げられます。

管理費も修繕積立金も計画的に見直しがされていればいいのですが、竣工当時のままの管理費・修繕積立金ではお金が足りなく場合が多いと思います。

新築の分譲マンションの場合、「修繕積立金」の金額は分譲会社が設定するのですが、より売りやすく、月々の負担を低く見せるために、低めに設定しているケースがほとんどです。

その他、新築マンションは「管理準備金・修繕積立金基金」と呼ばれる初回だけ発生する資金の準備も必要となりますのでご注意ください。

このように、マンションを購入する際は、多くの方が住宅ローンを利用されるので、月々の返済額も考慮しながら決めていくことが普通なのですが、単純に安いだけという理由では安易な判断は危険と言う事を皆さんにお伝えしたいと思います。

では、管理費や修繕積立金の妥当な額はどのくらいなのでしょう。

このお話は次回のBlogでお話ししたいと思います。

最後までお読みくださりありがとうございます。

マンション管理の『夢』レシピ マンション管理士 松本夢(JSプロパティ

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