基本に戻って考える。ホームインスペクション・住宅診断の目的とは?
こんにちは、こちらは千葉県千葉市にあるホームインスペクション・住宅診断専門事務所 アフリスペック一級建築士事務所です。
今回は基本に戻って、ホームインスペクション・住宅診断を行う目的について考えてみたいと思います。
ホームインスペクションをご依頼いただくときによく聞かれること。
お問い合わせいただくときに、一番初めに聞かれることが多いことは以下のことです。
- 何を頼んで良いかわからない。
- 新築住宅は診断の必要はありますか?
- 床下や小屋裏等の調査は含んでいますか?
さて、一つずつ見ていきましょう。
何を頼んで良いかわからない。
まだまだホームインスペクション・住宅診断は日本での認知度は低く、どのようなことが基本なのかが浸透していない様です。
そんなときにお訊ねするのが『具体的に心配な事はありますか?』ということ。
ホームインスペクションはその依頼者様によって目的が大きく異なります。
例えば明らかに内装に不具合がある建物をフルリフォームをしようとしている方に壁紙の劣化状況をお伝えしてもあまり意味がありません。
ご自身が何が心配なのかを整理してみると、ご心配事に沿った具体的なアドバイスが出来ますので、整理してみると良いでしょう。
とはいっても、どう整理していいのか分からないかと思いますので、以下の区分けを参考にしてみてください。
- 地震が心配 … 築年数や劣化状況から見たアドバイスを行います。場合によっては耐震診断を行います。
- 雨漏りが心配 … 屋根や外壁の劣化診断と小屋裏、床下進入調査が必要です。
- 水漏れが心配 … 給排水管の診断、床下の進入調査が必要です。
- シロアリが心配 … 小屋裏、床下の進入調査が必要です。
- 地盤が心配 … 床の傾き調査や場合によっては地盤調査を行います。
これ以外にも多くの心配事があるかと思いますが、まずどのようなご心配があるのかが調査を始める前の手がかりになります。
上記のような心配事を調べるためには床下や小屋裏(屋根裏)への進入調査が必要と書きました。逆に進入せずにこれらを調べることは困難です。
なので中途半端な診断にならないように、アフリスペックでは床下・小屋裏の進入調査を標準としています。
※建物状況調査は不動産取引に定められた手法で行うインスペクションの為、床下・小屋裏の進入調査はありません。
新築住宅にホームインスペクション・住宅診断は必要あるのか?
これは良く聞かれます。
答えは必要です。(…と思います)
さてここで写真を見ていただきます。
どちらが中古住宅でどちらが新築住宅でしょうか?
話の流れからわかるかと思いますが、きれいな方が築15年程度の中古住宅の基礎、汚れている方が新築住宅の基礎です。
新しいから良いというわけではなく、新しくても施工の丁寧さや、施工ミスなどが発生している可能性もあります。
これは大手ハウスメーカーもパワービルダーと呼ばれる建売住宅業者に限らず起こることです。床下の状態をみることはあまりないかもしれませんが、こういったところにも施工者の丁寧さ等が現れてきますので、機会が有ったら見てみましょう。
やはり新築住宅にも、ホームインスペクション・住宅診断は必要ですね。
床下や小屋裏等の調査は含んでいますか?
これはどういうことかというと『宅建業法上のインスペクション(建物状況調査)』に於いては、床下や小屋裏の進入調査は必須とされいません。それ故にインスペクションとはそういうもの。やらなくても大丈夫。と勘違いしている業者が多いということに起因していると思われます。
もしかしたら、やらないという方が多かったり、やったとしても、オプション料金扱いになっている場合が多いのかもしれません。
最初の心配事の段落で書いた通り、床下、小屋裏への進入をしないとわからないことが多すぎるため、多少費用が掛かっても進入調査はすべきです。
安心の落しどころが違う
少々話はズレますが『ホームインスペクション・住宅診断』 と『宅建業法上のインスペクション(建物状況調査)』は同じ様にインスペクションと呼ばれているのですが、安心の落しどころが違います。
ホームインスペクション・住宅診断は、出来るだけ建物を隅々まで見て、安心を得るために行います。またその情報を後のメンテナンス等の参考にすることができますね。
一方で建物状況調査は、予め決められた調査方法や基準に基づき調査をします。
一定基準程度安心な建物であれば、後に大きな不具合が発覚した場合には保険に頼りましょう…という考え方です。
つまり購入後のメンテナンス等のアドバイスは含まず、とにかく既存住宅の流通を促進するため、一定基準を作る為のあくまで制度運用の為のインスペクションです。
ホームインスペクションの目的は?
さて、いかがでしたでしょうか?
費用を掛けて住宅診断を行う目的はなんでしょうか?
安心して家を買う為でしょうか?
メンテナンス計画を立てる為でしょうか?
それとも、既存住宅の流通制度を運用するためでしょうか?
この制度の微妙なニュアンスを伝えるのはとても苦労しています。
もしわからないこと等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
それではまた。
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