次世代住宅ポイントに見るこれからの住宅とは?
こんにちは、千葉の住宅診断・ホームインスペクション事務所 アフリスペック一級建築士事務所です。
2019年10月の消費税増税に伴い、住宅新築やリフォームの需要変動(駆け込み需要等)の経済的影響を抑えるため、国は様々な住宅施策を講じています。
①住宅ローン減税の控除期間が3年延長
②住まい給付金が最大50万円に
③次世代住宅ポイント制度(新築35万、リフォーム最大30万)
④贈与税非課税枠が最大3000万円に拡大
※ただし、予定されている消費税引き上げ実施が大前提です。
そんな中で今回は次世代住宅ポイントのリフォームに絞ってお話をします。
ポイント申請の実務というよりは、この制度からこれからの住宅を国がどのようにしていきたいのかを見ていきます。
次世代住宅ポイント制度について(リフォームの場合)
そもそも、この制度の主旨は下記のような住宅に資するものとなっています。
・環境負荷の低く
・耐震性が高く
・バリアフリー性能、断熱性能が高く
・家事・介護負担軽減に資する
これらの住宅の新築・リフォームが対象となります。
その根本は『環境』『安心・安全』『健康寿命・高齢者対応』『子育て支援、働き方改革』という現代の社会的背景を受けているのですね。
ポイント発行の対象となる住宅は?
既存住宅のリフォームに於いてポイント発行対象となる住宅は
持家・貸家となっており、その所有者等が施工者に工事を発注(工事請負契約)して実施するリフォームです。
そしてそのリフォームの内容には住宅性能要件が定められており、以下の工事のいずれかに該当すればポイントの対象になります。
①開口部の断熱改修
②外壁、屋根、天井または床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
※家事負担軽減施設の設置との併用は不可
④バリアフリー改修
⑤耐震改修
⑥家事負担軽減設備の設置
⑦リフォーム瑕疵保険への加入
⑧インスペクションの実施
⑨若者・子育て世帯の既存住宅購入に伴う一定規模以上のリフォーム
従来の住宅エコポイントとの違いはひとことで言うと『ハードルが低い』ということですかね。ひとつでもクリアすれば対象になので申請がしやすいかもしれません。
インスペクション(住宅診断)も対象
そんな中で注目すべきは『⑧インスペクションの実施』もその対象となっているところです。
つまり、この制度の主旨を満たすためには、インスペクション(住宅診断)というものが、非常に重要と位置付けられていると言い換えられます。
実際に快適性や、家事負担の軽減になるわけではありませんが、建物を調査・診断し、コンディションを確認するということは将来的なメンテナンス計画や、資金計画の礎となるものです。
人間の健康診断と一緒で、まずは検査をしてから対策を練ることが長寿命化の基本なのです。
また上記性能要件①~⑨を主旨に照らし合わせると下記のようになると思います。
①【環境】【健康寿命・高齢者対応】…開口部の断熱改修
②【環境】【健康寿命・高齢者対応】…外壁、屋根、天井または床の断熱改修
③【環境】…エコ住宅設備の設置
④【健康寿命・高齢者対応】…バリアフリー改修
⑤【耐震】【安心・安全】…耐震改修
⑥【子育て支援・働き方改革】…家事負担軽減設備の設置
⑦【耐震】【安心・安全】…リフォーム瑕疵保険への加入
⑧【耐震】【安心・安全】…インスペクションの実施
⑨【子育て支援・働き方改革】…若者・子育て世帯の既存住宅購入に伴う一定規模以上のリフォーム
ポイント発行の上限上乗せにも、もちろん制度の主旨が絡んでいます。
基本的にリフォームでは最大30万ポイントが発行の上限となっています。
しかし、いくつかの条件を満たすことで、その上限が一定程度解除されます。
その1 若者・子育て世帯がリフォームをする場合 最大で+30万ポイント
①既存住宅(中古住宅)を購入しリフォームを行う場合 … +30万 ポイント
②その他 … +15万ポイント
その2 安心R住宅を購入しリフォームを行う場合 +15万ポイント
これらの優遇されている内容をみても、これからの住宅のあるべき姿が見えてきます。
若者・子育て世帯 と 安心R住宅が手厚く保護されているのですね。
優遇条件からみる、これからの住宅とは
2つの優遇条件が見えてきました。
【若者・子育て世帯】と【安心R住宅】ですね。
さてこの2つが意味するものは何なのか…。
さらに掘り下げると、住宅施策の全体像が見えてきます。
そのあたりの掘り下げについては、また次回。
これらの住宅施策は多くの社会問題をいっぺんに解決しようとしているように見えます。
ただし、その制度活用は難しく、わかりづらく、面倒、といった側面がありなかなか上手に活用がされていません。
そんな時にはアフリスペックへお問い合わせください。
社会的背景からみるこれからの住宅の買い方・売り方・住まい方等様々な側面からアドバイスをさせていただきます。
千葉市の住宅診断・ホームインスペクション事務所 アフリスペック一級建築士事務所でした。
それではまた次回。