施工図検討してますか?
こんにちは!千葉市の住宅診断・ホームインスペクション事務所 アフリスぺックです。
今回は図面のお話。
住宅を建築するときに図面といえば何を思い浮かべますか?
平面図・立面図・断面図、図面には様々な物がありますが、施工図の存在をご存知でしょうか。
施工図とは、主に詳細な納まりを検討するために描く図面のことです。
法律的に作成が義務付けられているものではありませんが、縮尺が1/100 や 1/50の図面では表現しきれない、物の仕様や性質を踏まえて設計をする、実際のものづくりに於いて非常に重要なものです。
ただ住宅業界の慣習といいますか、一般住宅に採用する部材の多くには『メーカー推奨の施工マニュアル』というものが存在し、現場ごとに施工図を描かない…取り合いは職人さんの経験則という例は意外と多いかもしれません。
図面は納まりを検討したり、仕様を決めたり、それを職人さんに伝えたり非常に重要な役割を果たしています。
図面を中心に様々な関係者が打合せを繰り返し最終的な決定をします。
もちろん現場の状況によっては図面通りにいかないこともたくさんあります。
そんなときに後工程等の予定も迫っているからとりあえず施工してしまう…これが後々の不具合の原因になっていることが実は多いのです。現場担当は多棟数の管理に追われ、段取り屋になってしまい本来の役割の品質管理がおろそかになっていることも。
言葉を替えれば住宅の品質は職人さんの考え方一つにかかっていることも少なくありません。
もちろんきちんと納まりを検討して管理してくれる現場監督もたくさんいます。
図面は決してキレイなものではなく、手書きや走り書きでも構わないと思います。
住宅はそれぞれが違う大きさで、屋根形状なども異なります。
特に前述した『メーカー推奨の施工マニュアル』のそれぞれの取り合い部分(例えば屋根⇔外壁、基礎⇔構造体、外壁⇔シーリング)については思わぬ落とし穴があったりします。部材選定を変更したり、特殊な使い方をしたりする場合には必ず図面を描くことを推奨します。共通認識をもつ手段として、間違ったり勘違いの施工方法をしないように図面を介したコミュニケーションは必要なんですよね。
もちろん施工図を描こうとするとコストがかかります。なるべくメーカー推奨の施工マニュアルで済ませようとするのは分からなくもないのですが、本当に大事な部分(雨漏りのリスクが高いところ等)はやはり図面を描いて検証を重ねるべきです。
住宅業界は効率化、低価格化を追求しすぎるが故に大事な部分を見落としがちです。
長期渡って住み続けられる住宅を作るためには、いま一度、建築の原点に立ち返り丁寧な仕事が出来る環境づくりが求められているのかもしれませんね。
千葉の住宅診断・ホームインスペクション事務所 アフリスペック一級建築士事務所でした。
それでは!