【見破る力】ホームインスペクション(住宅診断)で不可欠な力のひとつ。

こんにちは、住宅診断・ホームインスペクション専門事務所 アフリスペック一級建築士事務所です。

住宅診断って結局、誰に頼んだらよいか分からない…と迷う方が多いようです。
不具合事象を基準に則して判断していくことは当たり前かと思いますが、見る人によって何が違うのでしょうか?

著しい劣化が生じている…とか、傾きが生じている…等のわかりやすい事象であれば、目視で確認できれば人によって大きな判定の差はありません。
しかしそうではない事象があった時にどのように感じるか、『おやっ?』と思う力があるかないかこそがインスペクターに必要な力です。

『見破る力』とでも言いましょうか。
アフリスペックではそんな小さな事象から逆算して事象を推測することを大事にしています。

今回はそんな視点で判断した事象を少しご紹介いたします。

見破る力|住宅診断・ホームインスペクション専門事務所|ホームインスペクター、住宅診断士|北海道・青森県・山形県・秋田県・岩手県・宮城県・福島県・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県・埼玉県・神奈川県・東京都・山梨県・静岡県・長野県・新潟県・石川県・富山県・岐阜県・滋賀県・福井県・愛知県・三重県・和歌山県・京都府・大阪府・奈良県・兵庫県・岡山県・鳥取県・島根県・広島県・山口県・高知県・徳島県・愛媛県・香川県・福岡県・佐賀県・大分県・宮崎県・熊本県・鹿児島県・長崎県・沖縄県・関東・関西・近畿・東北・九州・四国・北海道

鋼製束に汚れの付着

これはとある建物であった事象です。
以下の写真をご確認ください。この事象が何かわかりますが?
単なる汚れのようにみえますが…。

床下の鋼製束に汚れが付着していましたので『?? 』と感じました。

通常、何も考えない報告だと『鋼製束に汚れの付着あり』となる可能性があります。
しかし、実際には『漏水の跡』だったのです。

汚れていることが大きな問題なのではなく、何故汚れが付着したのか?という視点がホームインスペクターには必要なんです。

今回の場合は基礎はベタ基礎で、床下の状況は比較的きれいな状態を保っていました。
それなのに鋼製束が部分的に汚れていたのです。

この汚れが付着した原因の推測はこうです。

1.床下に大量の水が溜まり、基礎の内部にあった汚れ(木くずやゴミ)が浮いた状態であった。
2.清掃時にポンプで水を抜いた、水位が下がるにつれて浮遊していた汚れが鋼製束にまとわりつくように付着した。
3.床面についてはきちっと清掃をしたので、比較的きれいな状態が保たれていた。
4.清掃し忘れた個所に汚れが残った。

ゴミが浮き、その水を抜くことで生じる事象。

こんな予測を立て、確認をしたところ、漏水事故の履歴が発覚しました。
比較的きれいな床下からは想像できない事象ですが、これらの事象を見逃さず、時間軸で考えると様々な仮説が立てられます。

水が溜まるほどの漏水は、きれいに水を抜いたとしても、その他の場所にカビの発生等が生じており、二次的な被害を発生させる可能性があります。

誤解してはいけないのが、そういった建物を選んではいけないという意味ではありません。
知らずに放置しておくと、なんだかわからないうちに、カビが大量発生したり、それらによって健康被害を生じる可能性も考えられます。
ですので、カビを除去する等の費用も含めて購入を検討することが大事、ということになりますね。

ビスの取付不良

これも少しマニアックかもしれません。

内部の調査に入るときには、サッシの取付ビス等を入念に見るようにしています。

感覚的なものではありますが、そのサッシビスの打ち方によって施工業者(大工さん)の性格を知る手掛かりになることが多いんです。

特に玄関はその家の顔。お客さんが出入りする最初の場所です。
その場所のサッシビスが曲がっている、頭がつぶれている、抜けがある、浮きが生じている等、事象は様々ですが、これらの事象が生じている場合、かなりの確率でその他にも木工時の不具合が生じています。

これはサイディング(外壁材)等の場合も同じ、釘の間隔やシーリングの目地の通り(目地が真直ぐか)等もその職人さんの性格を知る手がかりです。
もちろん知識が無ければわからない不具合もありますが、それ以前に全体的な感覚を掴むことは重要です。

住宅の工事には様々な業種が絡み合っています。それらは工程によって工事に入るタイミングが異なります。外壁に取り付いている物を見ても、それぞれ違った人が取り付けていることが多く、その取り付けた人によって仕上がりがバラバラということが多いのですね。

建物の内見時、ビスや取付の丁寧さについても注意してみてみると、工事に携わった職人さんやその建物の全体的なイメージがわくかもしれません。

それらを未然に防ぐために

この他にも事象を見破る手がかりは沢山ありますが、それは結果的にそうなってしまっていることです。
本来はそれを未然に防ぐ対策が必要です。

これらを管理するのが現場監督の役目のひとつなのですが、やはり工程や段取りに追われて現場をまわることが出来る時間が限られてしまうのが現状かと思います。
これは現場担当だけではどうにもならない(会社の体制)にもよるところがあります。
よって監督さんの目の届かないところでどうやって品質管理をするか。
現場に緊張感を持たせるかが住宅工事の品質管理の胆になります。

ハウスメーカーの多くは現場担当者が現場を複数等掛け持ちしていることが当たり前です。
自分の家は毎日現場巡回をして欲しい…といったところで、その他の現場にしわ寄せがきてしまい、結果的に根本的な問題の解決にはなりません。

そんな時には新築中の工程毎の検査も視野にいれても良いかもしれません。不具合や施工ミスなどは早急に発見し対策をすることでほとんどの場合カバーできます。
それを放置しておくと建物に大きな問題が生じたり、契約上のトラブルになったりします。

現場監督が大変なことは理解しています。
そのうえで少しでも我々がサポートが出来れば、結果的に品質の良い建物に近づけることが出来るかもしれません。

不具合を見つけるのが目的ではなく、良い建物を造ることが目的です。

アフリスペックは現場の敵ではありません。

もちろんハウスメーカーもお客様の敵ではありません。

建物に寄り添い、みんなで協力して良い建物を造る。

それがいま求められている家の建て方なのかもしれませんね。

新築の工程検査にも対応しております。
建物の構造形式によって重要な箇所は異なってきますので、全てお見積りとさせていただいておりますのでお気軽にお問合せください。

住宅診断・ホームインスペクション専門事務所 アフリスペック一級建築士事務所でした。

それではまた。

※アフリスペックは『欠陥』という言葉をあまり使いません。『不具合』『劣化事象』『施工不良』『施工ミス』等という言葉で表現しています。
事象について『欠陥』という言葉を使ってしまうと、今まで診断してきた数百棟の建物すべてが『欠陥住宅』になってしまうからです。
造った人の大変さも理解し、建てる方の気持ちも理解しながら診断をしています。

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