ツーバイフォー(2×4)工法の優位性!?
こんにちは。
住宅診断・ホームインスペクション専門事務所のアフリスペック一級建築士事務所です。
さくらもグングン花開いてきましたが、まだまだ上着は手放せませんね。
唐突ですが、今日は木造住宅の工法の一つである、ツーバイフォー(2×4)工法について少し触れていきたいと思います。
ツーバイフォー??日本の木造工法は概ね4種類
そもそも ツーバイフォー(2×4)工法 って何?という方の為にその違いを説明していきます。
まず、日本の現代における木造工法には概ね以下の4つに大きく分けらます。
- 在来工法(木造軸組工法)
- ツーバイーフォー工法(枠組壁工法)
- 伝統工法
- 丸太組工法(ログハウス)
そもそも何が違うのかと言えば、木材の組み方や地震に抵抗する力(耐震性能等)の考え方が異なります。難しい話になりますのでその辺りはまた次の機会に。
まずは大きく分けてこの4つがあるんだなくらいで考えていてください。
ほかにも住宅メーカー独自の工法を採用している場合や、スチール部材との混構造というものも増えてきていますが、基本的な考え方はこの4つから派生してきています。
その中で流通量が多いのが2種類、その耐震性は?
上記の内、流通量が多いのが上の二つ。
在来工法(軸組工法)とツーバイフォー(2×4)工法です。
在来工法(軸組工法)は主に柱や梁の軸組み(棒)で組んでいく工法です。
イメージとしては、細い棒を立てたり寝かせたりして組み上げていくイメージです。
一方でツーバイフォー工法はパネルを現場で組み立てていく工法。
イメージとしては板を敷いて、その上に板を立てて、さらにその上に板を乗せて箱を作る。その板は工場で製作されてきます。
地震に強いのはどっち等は住宅メーカー等が色々と情報発信をしていますが、現在の法律(2000年以降)に於いては特に大差が無いものと考えてよいのではと思います。逆に2000年の法律改正以前は 軸組み工法のバランスが悪かった為、耐震性に於いてはツーバイフォー(2×4)工法 に軍配が上がるのではないでしょうか。
今は性能表示制度というものがあり、耐震等級を指定(法律に比べて何倍強くするか)できる時代。分譲住宅や建売り住宅でなければ耐震等級を指定して構造を強くすることが出来ます。もちろん費用は掛かりますのでその費用対効果を見極めながら等級を決定することが望まれます。
イメージで比べてみよう。品質確保。
施工品質に於いては在来工法に比べツーバイフォー(2×4)工法の方がバラつきが出にくいと言われています。
少しイメージしてみてください。
前述の『在来工法(棒)』の様に棚を作るのと、『ツーバーフォー(2×4)工法(板)』の様に、棚を作るのではどちらが簡単ですか?
ホームセンターで板のサイズをカットして組み上げるだけで棚になってしまう方(ツーバイフォー(2×4)工法のイメージ)が簡単ですね。組立が簡単ということはどんな人が作ってもバラつきが出にくいということです。
ツーバイフォー(2×4)工法も、棚のつくり方と同じように、工場で壁を作ってきて現場で組み上げるだけなのできちんとしたものが出来やすいのですね。
あくまでイメージですので、全てが同じとは言えませんが。
ツーバイフォー(2×4)工法のメリット?気密性能が高い。
そんなツーバイフォー(2×4)工法の箱は気密性に優れるというメリットがあります。
しかしツーバーフォー(2×4)工法は日本の気候に合わないとされている時代がありました。気密性が高く、また工法的にも下から組み上げていく工法の為、屋根が掛かるまでに雨が降り水濡れすると後にカビ等の不具合が発生し、高温多湿の日本ではマッチしないとされていたのです。
高気密住宅は新建材が普及に伴い『シックハウス症候群』を引き起こす原因にもなりました。現在は使用する建材に対しても化学物質等含有量について規制がかかっており、更には24時間換気についても定められています。しかし全ての方に影響が出ない訳ではありません。ご心配な方はシックハウスの原因物質量の測定等行う方法もあります。
現在において様々な教訓を経てはその気密の重要性が在来工法に於いても重視されており、どちらにしろ気密性能を競う時代に入っています。
これから建築する方は、在来工法、ツーバイフォー(2×4)工法によって気密を選ぶというよりは、隙間相当面積:C値等を比較検討することが良いかもしれませんね。
ただし、気密と断熱と換気はその扱いを間違えると構造部の劣化に繋がる可能性があります。気密を上げるだけ、断熱をするだけ、換気をするだけでは様々な不具合の原因になる可能性がありますのでご注意ください。
要するにバランスが重要ということです。
ちょっと違う視点で見てみる。ツーバイフォー(2×4)工法のメンテナンス性
さて残念ながら日本の住宅は海外の住宅に比べてメンテナンスがされていない状況が多いです。なぜなら日本の住宅は『建てては壊す』スクラップアンドビルド。寿命は約30年とも言われてきました。
何故なのか?
建築に関わる人でなければ、在来工法なんて学ぶこともないと思います。
ましてや、仕口や継手等の特殊な加工ができる人なんてどれだけいるのでしょう。つまりいじり方がわからない人が多いんです。
だからリフォーム屋さん等にお金を払ってメンテナンスをせざるを得ない状況。そしてリフォーム屋さんも様々な業者がいます。結局は自分の家ではないので、中には適当な施工をされかねません。
リフォームというブラックボックスですね。
では、外国はどうでしょう?
外国では中古住宅の流通が当たり前になっていて、手を入れればそれが資産となって残るというものになっています。そしてメンテナンスは自分でやれる人が多い。特にツーバイフォー(2×4)工法は作り方が簡単で、材料の規格もある程度決まっているので自分でいじるのも簡単なのかもしれませんね。
これが海外と日本の差。
家を資産と扱ってきた外国と、家を消耗品として扱ってきた日本の差です。
日本でもDIYがもっと発達すればメンテナンスは自分で…という時代が来るかもしれませんね。
まとめ
さて、ツーバイフォー(2×4)工法について話していたつもりが、どんどん派生していってしまいました。
そうなんです。建築の工法は一つではありませんし、その時々で採用するものも違います。
まとめるとこういうことかと思います。
工法に限らず性能を指定すればそれに対応した建物の設計がされる。あとはその設計品質をきちっと管理して実現することが重要。
これに尽きます。
いかがでしょう。ぐるりと巡って根本的なところに帰ってきた感じですね。
この記事に関するお問い合わせもお気軽にどうぞ
今回はツーバーフォー(2×4)工法についてお話をしてきました。
しかし、工法を語るにはこの記事だけではなかなか難しいですね。
ツーバーフォー(2×4)工法やその他の工法でお悩みの方、迷っている方もお気軽にお問い合わせ下さい。もしかしたらお役にたてるかもしれません(^^)
住宅診断・ホームインスペクション専門事務所 アフリスペック一級建築士事務所でした。
それではまた!