リノベーション済物件の落とし穴。見るべき4つのチェックポイント。
こんにちは住宅診断・ホームインスペクション専門事務所のアフリスペック一級建築士事務所です。
さくらも一気に咲くかなと思っていましたが何だか天気が安定せず足踏み状態ですね。弊社の事務所の近くの公園ももうちょっとという感じです。
さて今人気の中古住宅+リノベーション。
地域を絞って物件探しをすることが出来る上、コストも抑えることが出来て、デザインも洗練されていることが多いですね。
しかしリノベーション『済』の物件については少し注意すべきことがあります。もちろん全ての物件が悪いという意味ではありませんが、リスクを回避するという意味ではチェックしておいて損はない、大事なポイントです。
在来工法やツーバイフォー(2×4)工法、軽量鉄骨や鉄筋コンクリート造(RC造)等の工法に限らず様々な建物に共通する施工以外の視点からみたチェックポイントです。
リノベーション済物件という一見おしゃれな響きをまとった欠陥住宅を掴まないために是非お読みください。
いくつもの物件にあった。リノベ済み物件共通の不具合事例。
中古住宅のリフォームやリノベーションのをするときには、既存建物は何かしらの不具合を抱えているのは良くある話です。もしかしたら耐震性が不足していたり、水漏れや雨漏りもあったかもしれません。しかしそれは直せば良い事なのです。耐震性については耐震診断を実施して必要な補強をする。雨漏りには雨漏りの調査をして上で必要な補修をする。もちろん中古住宅という特性上、大がかりな工事になることもあります。しかし実際には…。
中古住宅でホームインスペクション(住宅診断)をするときに点検口( 天井点検口・小屋裏点検口・床下点検口 )が無いといった物件にはあまり出会いません(どこかしらに点検できる部分はあることが多い)、リノベーション済物件については『点検口が無くなっている!』ということが何度もありました。図面には記載があるのに。
どういうことでしょう。
リノベーションは建物の不具合を隠すため?
点検口を作るのは通常の壁・床・天井を作るより手間がかかることですが、将来的なメンテナンスのことを考えたら天井点検口・小屋裏点検口・床下点検口は必須です。不具合は早期発見が大事。そのためには点検口は無くてはならないのです。不具合は起こるもの、なのになぜその点検を阻害するようなことをしてしまったのか?
天井はクロスがきれいに張られており、何事もなかったかの様に仕上げられています。 嫌な予感はしたのですが、その答えは点検口を開口してわかりました。
小屋裏に入ると屋根裏にはいくつかのバケツが…。ひどい雨漏りではないので部屋に落ちてくることはなさそうですが…。
そう、これを隠すために小屋裏点検口を潰したんですね。
雨漏りを直さずに隠すために点検口をわざわざ塞いでいたのです。
せっかく家をきれいにしたのに、こんなことでは台無しです。
リノベーション済の素敵な物件のはずが、仕上げだけを直した、ただの『手抜き物件』になってしまったのです。間違ってやったのではない意図的な欠陥隠しは、実は多く存在します。
中古住宅の不具合等はほとんどの物件で存在していますが、その修繕の仕方もたくさんあります。しかしその物件は見て見ないふりをしていたのです。
不具合物件に共通する特徴。 おかしいな?を見極める4つのポイント
こういった欠陥建物に物に出会ったときは、ほとんどがそれだけではありません。その他にも同じような、調べればすぐにわかるレベルの『手抜き工事』を至る所で行っていることが多いです。
新築やリフォームを問わず、建物を作る工事をするのは人。その人の性格がそのまま建物の仕上がりに繋がっていることが多いです。
感覚的な話ですが、その建物の第一印象を感じることが大事です。
第一印象を掴むポイントを4つご紹介します。特に道具なども必要無く確認ができますので、ぜひ確認をしてみてください。
- 玄関ドアやサッシ周りのビスの打ち方、ビス頭が壊れていないか、打ち込みすぎていないかを確認。
⇒ここに大工さんの性格が表れることが多いです。ビスが斜めとか、打ち込みすぎとか、頭がつぶれているとか…あまりにも多い場合には他も確認してみましょう。 - 洗面化粧台の下の扉を開けて配管がごちゃごちゃしてないか。配管が無理矢理斜めに接続されていたりしないか。
⇒これは設備屋さんの性格を診るポイントです。 - サイディングの浮きなどはあるか、釘留めの場合はその間隔が規則的か。
⇒これは外壁屋さんの性格を診るポイントです。 - 点検口はあるか。
⇒意図的な欠陥隠しをしている可能性を探るポイントです。
その他にもたくさんありますが、この4つを確認して建物の印象を診てみましょう。専門的なチェックポイントは別として、おや?粗いな…と思ったらそれは全体的に粗い施工の可能性があります。
リノベーション済物件がお得とは言え、このように人を騙すような施工もあります。そんな技術を高めて安く売るより、きちっと直して適正価格で販売する方がよっぽど良心的です。
『リノベーション』のイメージダウンをさせないために
世の中にはリノベーションによって素晴らしい生まれ変わりをした建物がいくつもあります。 それ故にリノベーションという言葉が商業的な言葉(かっこいい、おしゃれ、最先端)の代名詞の様に使われるのはすごく勿体ないです。
リノベーション済物件でも、地域の不動産取引相場に合っていなければなかなか販売は難しいのが現状です。不動産取引相場から逆算してリノベーション予算が決めれらます。予算がが決まっている中予測できなかった不具合に対応していかなければならないのです。
見えない不具合があった時にどう対応するか…。
その不具合を見なかったことにする『臭い物には蓋工法』が横行していることはリノベーションのイメージをもマイナスイメージに変えてしまう恐れがあります。昔よく聞いた『悪徳リフォーム業者』という言葉。『悪徳リノベーション業者』という言葉が出回らないように建築側の人間も気を引き締めていかないといけませんね。
リフォーム業は金額規模にもよりますが、建設業許可無しで営業をすることが出来ます。品質管理もない状態での仕事の受注が可能なのです。
この記事の件についても、お気軽にお問い合わせください。
リフォームやリノベーションをしたいけど業者選びが不安な方は、リフォーム屋さんに飛び込む前に一度お気軽にご相談くださいね。少しでも不安がある場合にはお役に立てるかもしれません(^^)
住宅診断・ホームインスペクション専門事務所 アフリスペック一級建築士事務所でした。
それでは。