ホームインスペクションの矛盾
前回、インスペクション・住宅診断の種類が有るという記事を書きました。
https://afrispec.jp/archives/4605
今回はその使い方や、インスペクションの矛盾についてお話をしたいと思います。
インスペクションの目的
おそらく、国としてはインスペクションという制度を使い既存住宅(中古住宅)の流通を図り、空き家問題等の解決に繋げたいという気持ちがあるのでしょう。
インスペクション=建物状況調査としているのですが、前回の記事で書いたように、インスペクションには種類があって、その安心の落しどころが違います。
国が定める『安心』…既存住宅売瑕疵保険の付保
お客様が求める『安心』…建物の不具合が無いか
この2つは両方とも『安心』という表現をされ、『安心して家を買ってもらう』という根本的な考え方は変わらないのですが、最終的に安心の落しどころが違う為に、使い方に矛盾が生じています。
インスペクション最大の矛盾。丁寧に見ると税制等の恩恵がうけられない?
これこそ最大の矛盾です。
宅建業法に定められたインスペクション『建物状況調査』はその他の様々な制度に絡んでいくことが出来ます。その延長線上に税制優遇等があるわけです。
その基準は建物状況調査における劣化事象が無い事が条件となっているのですが、その検査手法は小屋裏や床下の進入調査までは求めていなく、点検口から覗いて見える範囲としています。
つまり、点検口から見える範囲で事象が無ければOKということです。
いかがでしょう?
保険に加入する側としてはハードルが低くて良いかもしれませんね。
点検口から見える範囲で良いのですから。
しかしそれは保険に加入することで『安心』と思える人の考え方です。
建物を丁寧に見ると税制優遇から遠ざかる
逆に建物全体を調査して欲しい…細かいところも不安だから…という人の場合はどうでしょう?
我々ホームインスペクターも、床下や小屋裏(屋根裏)に進入し丁寧に建物を診ていきます。もちろんそうすることで、建物状況調査レベルの検査よりも多くの事象が発見される可能性が高いです。
その事象は実際に発生しているものなので、何かしらの補修をするのが理想的であり、今後の計画を立てる上でも重要な情報になります。
補修費用等を把握して建物の購入判断をする。
購入のインスペクションのあるべき姿かと思います。
しかし細かく建物を診ることで、建物状況調査の項目を満たさなくなります。
特に小屋裏や床下部分。
見なくてもいいということは、保険の加入だけで判断をするならば、
『あまり見つからない方が都合がいい…』というように置き換えられてしまいます。
インスペクションは建物の状態を把握するためのものなのに、把握できていない方が都合がいい…というパターンが成り立ってしまうのです。
アフリスペックのおすすめは床下や小屋裏にまで潜る『認定インスペクション』
結局のところどうなの?ということかと思いますが、アフリスペックのおすすめは間違いなく床下・小屋裏調査を含む『認定インスペクション』です。
不具合が見えないまま、保険に入れたとしても、不具合があるかも…という不安が付きまといます。
また保険で対応可能な範囲は限られており、その条件もハードルが高いのが現状です。
建物を隅々まで診断して、不具合を探し、補修して保険に加入して、税制の優遇を受ける。
これが理想の姿かもしれませんね。
いかがでしたか?
制度が後から出来たことも問題のひとつですが、インスペクション自体の本質が見失われつつあるような気がします。
アフリスペックでは、もちろん建物状況調査も取り扱っていますが、本当は建物全体的に調査をすることをお勧めしています。
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